防染・抜染

 「差し色」を大辞林で調べると、「単一の淡い地色に,濃い色を柄のように小さく配すること。」とあります。

 

 淡色地色に濃色を差すことはできますが、濃色地色に淡色を差すには防染・抜染の技法が必要です。

 

 防染と抜染の違いは、差し色を捺染した時点で地色が繊維に染着しているかどうがです。防染は差し色が捺染された時点で、地色は白地のままが染料が染着していない状態です。一方、抜染は地色染料が染着した生地に差し色を捺染します。

 

 防染は差し色の色糊中に配合された防染剤が、地色染料の染着を阻止します。抜染は染着した地色染料を無色にする抜染剤を差し色色糊に配合して捺染します。

(1)顔料差し

 反応染料の防染・抜染の差し色として、顔料が使われます。反応染料はアルカリがないと固着できません。差し色に不揮発性有機酸(酒石酸、クエン酸など)を添加してプリントすると防染ができます。しかし、一般に入手出来るバインダーと粘性調整材の耐酸性のデータを入手できません。酸防染の推奨できるレシピを提示できません。

  VS 染料の中には、還元剤で白く抜くことができます。還元剤にロンガリット C を使えば、田中直染料店の「バインダー DL 」が使えるとあります。

しかしながら、顔料の耐還元剤のデータがありません。個々の顔料がロンガリット C に耐えるかを確認してから使用することになります。

(2)地色・差し色とも反応染料の防染

 VS 染料と MCT 染料の反応基の違いを応用したものです。VS 染料は、アルカリ下で亜硫酸ソーダと反応し、綿とは反応できなくなります。

 但し、Turquoise G など直接性の強い染料は、濃色で抜け不良になります。

 

 亜硫酸ソーダは写真の現像に使われており、入手可能です。特に危険な薬品ではありませんが、取扱は MSDS を参照下さい。

 

 工程です。

1.引染め、筆柿などの方法で、VS 染料を生地に塗布し乾燥します。レシピは2相法です。

VS 染料

還元防止剤

粘性調整剤 (必要なら)

 

染料液を生地に垂らし、サラダスピナーで脱水し、乾燥したものです。

2.防染糊をプリントし、乾燥します。

MCT 染料

台糊

還元防止剤

重曹

尿素

亜硫酸ソーダ

 

亜硫酸ソーダは、地色の濃度によって、1−3%使用します。

 

3.蒸します。差し色の MCT 染料が固着し、差し色下の VS 染料が亜硫酸ソーダと反応します。

 

4.地色の固着に、アルカリ塗布し放置します。

5.水洗・乾燥します。